小説「博士の愛した数式」
映画は観ていないのですが、人に勧められて小説を読みました。
良かったですね。とても。
寂しいけれど、静謐で、温かさに溢れる作品でした。
記憶が80分しか蓄積されない数学者”博士”と、孤独なまま生きてきた若い家政婦、ワガママを言わない家政婦の息子”ルート”くん。
3人の温かなふれあいが儚くも温かく描かれる素敵な作品です。出てくる人が大人から子どもまで不器用で、それがたまらなく印象的。博士の蓄積されない記憶に重ねて、博士の核心に迫る部分は直接は描かれない、けれども今ここで博士の人柄や過去を家政婦とルートは少しずつ感じ取っていく。たとえ次の日になったら博士が自分たちのことを忘れていようとも、二人は関わり続け、博士という人間の輪郭が描き出されていく。
小川洋子、初めて読みました。素敵ですね。弱いく不器用でどこか不幸な者と同じ目線、そこから広がる世界が美しい描写で綴られていました。
![]() | 博士の愛した数式
|
| 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)





最近のコメント