2006年11月22日 (水)

「リアル」

1年に1冊くらいしか出ない(笑),井上雄彦「リアル」の6巻が出ました。

いやー。良かったですね。本当に。泣きました!

何でこの人はこんなに人間の心理や生きる姿を描くのがうまいのでしょうね。どこで人を見て,学んだんでしょう??不思議で仕方がないのです。

とにもかくにも。

人って一人一人それぞれの事情とヒストリーを持って生きているんですよ。外からは,そして今の姿からはうかがい知ることの出来ない,それぞれの事情や生きてきた歴史があって。それを改めて,痛感したのでした。

リアル 6 (6) Book リアル 6 (6)

著者:井上 雄彦
販売元:集英社
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2006年9月12日 (火)

「ハチミツとクローバー」&大人になることについての雑考

ついに完結。ハチミツとクローバー。

いい終わりでしたね。

10巻かけて、5人の若者が大人になっていきました。そして、それを取り巻く大人たちは逆に素直に、大人ぶらなくなっていったのも印象的。全巻通して、宝物みたいな素敵な言葉がたくさんあった作品でもありました。

10巻通して読ませて頂いて、作者について思った事。
この人はきっと一生懸命生きてきて、そうして自分の生きて、見て、触れて、感じたことを、全力でこの作品に注いだんだろうなぁ、ということ。
生きていくと沢山傷ついて、痛みを抱えていくものですよね。そこから逃げたり、人のせいにしたりせずに、きちんと向き合ってきたんだろうなぁ、と思いました。だからこそ、こんな素敵な青春を書けちゃうんだろうな、って。想いが叶わなくて、それでも簡単に諦められなくて想い続けて、その痛みを自分で越えていって、叶わなかった想いの痛みと、取り返しのつかない日々の優しさと切なさとその大切さとを抱えて、大人になっていくこと。自分になっていくこと。
大人になるってそんな事なんじゃないかと。
お気楽に上手く癒されることなんてできなくて、直球で不器用なんだけど、きっとそうして生きてきた人は、素敵な大人になるんだろうな、って思うのです。

どんな分野の方でも、それなりの域に達している人は、人とか世の中がよく見えている人なんだろうなぁ、と思います。自分の筋でものをみていって、でも行き着く所はちゃんと他の人が聴いても納得のできるもので。そうして、これからも色んなものに触れたり、沢山の人と出会って対話ができたりすると良いなぁ、なんて思ったのです。





ハチミツとクローバー 10 (10)


Book

ハチミツとクローバー 10 (10)


著者:羽海野 チカ

販売元:集英社

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2006年8月22日 (火)

「楠本まき選集」

私が多感な(笑)小学校時代から高校くらいまで、大変敬愛し、愛読していた漫画家楠本まきの自選集です。
今月から5ヶ月連続で出版されるらしいです。

第1弾の今月は『Kの葬列』。

これ、非常に好きな作品でしたね。平成4年から7年に描かれていたものなので、私が高校生の頃でしょうか。
今読んでも面白い。

彼女については言うまでもないことですが、絵とそこから生まれる空気。美意識。

そして、不条理なストーリー。
文学的ですよね。

表現される世界は耽美的であり、前衛的、そしてシュール。

登場人物は絵としてもキャラクターとしても、不思議な人ばかり。ストーリーは螺旋階段のあるアパルトメントに住むエキセントリックな住民たちに起る不条理な事件を描いています。その人物や事件、そしてアパルトメントは一つ独特の世界と空気を作り上げているのだけれど、それぞれのキャラクターや出来事はなんだかひどく普遍性を感じます。描かれている端々から感じられるテーマは哲学的であり、おそらく昔から人間が向き合ってきたものでさえある。
前面に出してこれを表現しようとしているのかどうかはわかりませんが、Kという人物はいかにも芸術家であり、しかし、いえだからこそ、同時に卑小な人間の弱さやアイデンティティとか自己というものの危うさを見せていて。彼に関わる人間たちもそれぞれ人間のエゴイスティックさや、精神の危うさを感じるに十分。

マザーグースの歌や、オスカー・ワイルドのサロメの一節など、十代の私が愛した物をが散りばめられた彼女の作品は、なんだか私の感性の原点を思い出す感じでした。


Kusumoto



Book

楠本まき選集 1 (1)


著者:楠本 まき

販売元:祥伝社

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2006年7月16日 (日)

ハチクロ

明日からギリシャに行くというのに、ちっとも準備が進んでいないというのに、困ったことにマンガ読んじゃいました。
「ハチミツとクローバー」9巻。

なんか切なすぎますよ。これ。号泣しました。マジで。
8巻がなんだか素敵な終わりだったのに、9巻は重かった。泣きました。
マンガでここまでやらなくてもいいじゃなーい、と思うほど重かったです。

このマンガって、大学生が中心なんだけど大人になってから読む青春マンガだなー、としみじみ思います。振り返ってあの頃のすばらしと取り返しのつかなさを知っているから、心にくるマンガなんじゃないかなー、なんて。たぶん、その当時に読むとそれはそれで色々思うのだろうけど、大人になった今となっては、大人になった今読むからこそ切なくてたまらない、そんな感じがします。





ハチミツとクローバー 9 (9)


Book

ハチミツとクローバー 9 (9)


著者:羽海野 チカ

販売元:集英社

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2006年5月 2日 (火)

「天は赤い河のほとり」

世界史で鉄を持ってオリエントを制覇したと習ったヒッタイトを舞台にしたマンガです。連載していたのはかれこれ10年以上前の1995年から2002年まで。「闇のパープルアイ」「海の闇、月の影」など、有名作品の多い篠原千絵の中でも最も長い歴史ロマン。
世界不思議発見好きの私にはたまらない(笑)作品でしたね。行ってみたくなるって、オリエント。

続きを読む "「天は赤い河のほとり」"

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2006年4月 4日 (火)

「PLUTO」

なんだかやたら浦沢直樹ばかり読んでいるみたいですが。

でもね、面白いものは面白い。

3巻出たんで読みました。だんだん謎が見えてきましたね。見えてきたら次の謎が生まれるんで全然分かんないんですけど(笑)。

この人はうまいですよね。人間の正の部分と負の部分を描くのが。愛情のような人間のポジティブな情動と、憎しみのようなネガティブな情動、そのどちらもうまく描かれているのが良い。人間って、どちらも併せ持つものなので。そして、ポジティブな情動が非常に切なく描かれるのが、安易でなく説得力がある部分なのかなぁ、と思っています。


しかし、連載中のマンガを読むのは嫌いです。次を待つのが歯がゆくて。う〜ん。出たばかりなのになんですが、早く先が出てほしいものです。




PLUTO 3―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (3)


Book

PLUTO 3―鉄腕アトム「地上最大のロボット」より (3)


著者:浦沢 直樹,手塚 治虫

販売元:小学館

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2006年4月 2日 (日)

MONSTER

本日、浦沢直樹"MONSTER"全巻大人買いしました。

で、読み続けること7時間。

・・・・・・・全巻読破。

面白かった〜!!

浦沢直樹。いやはや。ここまで来ると天才の域ですよね、もう。って、うちの妹(漫画家)はよく「浦沢直樹は天才だよね」というのですが。

人物の作り方というか、一人一人のキャラクターがよく生きている。それぞれの人間がそれぞれの立場で思いで、登場する。そこからストーリーが紡がれていくのがいいですね。人から人へ、謎が少しずつ見えていったり、深まっていったり。
で、ストーリー。正直サイコサスペンスとか、サイコスリラーとか言われる類いのものは、結構あらがみえてしまうというか、まあ一応心理学が専門なもんで、色々斜めにみちゃったりするのですが、これはひっかからずに一気に読めましたね。敢えて言うなら心理学者と精神分析医の心理療法が何してるんだろう?と思ったシーンがあったくらいで(笑)。メインのテーマは違和感なく読めたし、「安易じゃないな」という感じがしました。映画なんかでサイコサスペンスとか見ると、なんか妙な専門用語が出てきて、その専門用語なんてたいしたもんじゃないのに、その言葉とか概念にたよりすぎて、その概念を知っている人間が見ると、ひどく内容がないものになっていたりもすることがあります。まぁ、その概念からインスパイアされて出来た作品なのでしょうが、その概念以上に作品になっていない、という。この作品では、その「安易さ」みたいなのがなかったですね。最後までストーリーで読ませてくれた、というのが良かった。
そして、構成。色々な人物の視点や動きから、物語が進んでいって、少しずつ謎が解けていって、1つの場所に収束していく展開は見事です。これだけ長い時間かけて少しずつ連載で書いていって、最後にここに行き着くのはすごいですよね。

まぁ、そんなわけで全てを忘れて集中した7時間。あっという間の楽しい時間でした!





Monster (18)


Book

Monster (18)


著者:浦沢 直樹

販売元:小学館

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2006年3月26日 (日)

家内制手工業

ご存知の方はご存知と思いますが、私の妹は漫画家です。そして、私はそんな妹と2人暮らしです。

今日、朝起きたら妹が必死にB5版の紙を必死で折っています。今日販売する同人誌を手製本しているのだとか・・・。

しばらくは商業誌(つまりフツーの本屋さんで並んでいるマンガですね)に専念していた妹ですが、今月から、何年ぶりかに同人誌に復帰したそうです。1冊はちゃんと印刷屋さんで印刷・製本してもらったのがあるのですが、もう1冊は昨夜1時から作ったやつで、なんと9:00過ぎにやっと製本にこぎつけた、という次第とのこと。しかも、ネタが桜なので、今回出せないとお蔵入りになってしまうのだとか。まったく。

あまりに哀れなので、寝ぼけ眼で私もお手伝い。やっと最後に表紙をつけてホチキスで留める段階に来て妹が一言。

「家内制手工業だね☆」

まったくです。

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