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2006年7月 5日 (水)

支え合うこと

先日,とある機関で働いている心理屋仲間のお友だちから電話がありました。そこは心理職は一人しかいない職場で,あとは他職種のかた。どんな職場でもあることと思いますが,人間関係の板挟み的な状況に陥り,かなり凹んでいました。そんな状況をなかなか別の職種の方には相談しにくい。で,結局一人で抱えて自宅に戻ってきた,という状況でした。

働く上で,ストレスはつきものです。でも,それに耐えるっていうのは根性論ではいかんともしがたい。「あなたが頑張れ!」では,どうにもならない。昨今の自殺者数やうつ病患者の増大(大体にしてうつ病の患者さんにはまじめで,自分を責める方が多い),若年の離職者の多さ(単に「今どきの若者根性がない!」で済まない,多忙で過酷な労働状況と低賃金という状況は見逃せません),果ては駅員への暴力問題まで,ストレスによって起こっているとされる社会現象の多さを考えれば,根性でどうにかなるものではないことは明らかです。

そんなストレス社会の中で,自分が話せる人間が居るということはとても大切ですよね。電話をかけてきた友だちは,「愚痴になっちゃってゴメン」と言っていたけど,「愚痴全然OKですよ!」。なんというか,人のせいにばかりしている愚痴って聞いててイヤな感じってあると思うんですけど,自分がベストを尽くす中で,それでもうまくいかなくて,っていう愚痴なら聞いている方も応援したくなる。昨日スクールカウンセラー(これも心理一人職場)をしている先輩にそうした自分を支えてくれる場とか人について聞いたところ,スクールカウンセラーの勉強会(週末とかに集まって勉強してるんですよ!)の打ち上げで相談したり,別の職場だけど心理職の友だちに相談したりするんだそうです。そんな彼女も「やっぱり自分を保つための場とか,支えてくれる人とか大切だよね」と。

そう考えると,ひきこもりの方々が社会に出て働くって本当に大変で,リスクが大きいと思います。働くことにストレスがつきもの,って現代の状況を考えれば,それまで社会的な対人関係を持たず孤立していた彼らは,自分を支えてくれる場や人が皆無,あるいは極端に少ないわけです。しかも彼らのうちの多くは新しい職場で人間関係を作ること自体がまず大きな課題です。だから職場の人同士で愚痴を言い合う,なんてこともなかなか大変な事態なわけで。その中で就労を継続していくことが,どれほど大変なことか。

一口にニート・ひきこもりの就労支援なんて言うけど,単純に就職する・できる・しない,っていう入り口の話だけになっているのって,どうしようもないのかもしれないけど,なんだか片手落ちであるような,そんな気がします。

と,心理学的にいうと「ソーシャル・サポート」って話だったわけですが。就労,って話はなんだか教育の話だったりとか,経済の話だったりするのですが,就労継続っていうと,もっと社会とか心理とかの話になるわけで。色々考え込む今日この頃です。

*おまけ*

多種の専門家で構成されている職場の場合,それぞれに専門性が異なるためにおこる分業と協力体制にそれぞれの機関独特のものがあります。その中で,何かトラブルがあったときには,それぞれの専門性の立場,および分業や協力の微妙な関係性があるため,他職種の方には立場上相談しにくいものがある場合があります。同じ専門の職員が一人しかいないと,実質的には孤立した上に,しかし業務上はその分担をこなし,かつ複数の他職種とのバランスを取りながら微妙にうまく立ち回らないといけない,というかなり孤独かつ過酷な状況が発生します。ある職種と別の職種の板挟みになりながら,しかも自分の専門性を全うしなければならない,という状況だったりするわけです。それぞれ別の専門家に期待することは微妙に異なっているので,ややこしい事態なわけです。その辺りの微妙なところは同職種でないとなかなかリアルには理解しにくいものがあるんですよね。

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コメント

こんばんは、またお邪魔してます。
私も、仕事場が色々な職種の人がいる中で働いており、
しばし肩身の狭い思いをしてます。
学生の時は、今ほど感じなかったんですが、働き始めてから
特に強く感じるようになりました。
辞めたいけど、次見つけなきゃいけないし、お金貯めなきゃ
いけないし。。。等、いっぱい考えなければならないですよね。
でも、私は今年いっぱいで辞めることにしました♪
一気に気が楽になりました。
それだけ、職場が私に与えていたストレスが大きかったという
ことですね。生きてくって大変ですね。

投稿: ミロ | 2006年7月 5日 (水) 21時07分

>ミロさん

本当に,生きていくって大変ですよね。色々考えないといけない。
その中で,辞めると決断するのはなかなか勇気がいることではなかったかと推測します。
一つストレスから解放されて,また次のステップに向けて頑張って下さい。

投稿: あき | 2006年7月 7日 (金) 09時42分

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