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2006年6月23日 (金)

小説「スワロウテイル」

映画の方が有名な岩井俊二の「スワロウテイル」。友だちに勧められて読みました。良かったです。小説も岩井俊二自身の作。

全体に空気が良い。

全編を通して現れる,世の中の不条理の数々。お金,売春,名前のない子ども,窃盗,きれい事,建前,人々の争い・・・。それらがひどくカラッと扱われています。妙な「建前」「きれいごと」的な神妙な扱いをしていないのがよい。たぶん主人公は失踪した売春婦の子どもで名前のなかった女の子「アゲハ」。思春期に入りかけたその女の子の目線で描かれているこの小説は,当事者をおいてきたようなオジサンの上からの説教みたいなイヤな問題の扱い方ではない。

確かに不条理なんだけど,そこに人がちゃんと居る。そこで人が人らしく生きている。たくさんの不条理と,彼ら彼女らなりのささやかな(?)生活と。そこに人が生きていることの方がよっぽど素敵。その空気がとても良い小説でした。

スワロウテイル Book スワロウテイル

著者:岩井 俊二
販売元:角川書店
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