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2006年4月 7日 (金)

「アカルイミライ」

シュールですね。現代の寓話。うん。寓話って感じです。ストーリーもどう説明してい良いものか、ちょっと難しい。

「工場で働く二人の青年。二人とも空虚で日々をなんとなく過ごしている。一人はいつもイライラしている眠ると未来の夢を見るという仁村雄二(オダギリジョー)24歳、一人はそれを制す穏やかな有田守(浅野忠信)、27歳。しかし、ある夜、守は工場の上司を殺し、刑務所(拘置所?)に入る。仁村に自分の飼っていた猛毒のアカクラゲを残して。そして、守が自殺した日、仁村は守の父に出会う。」

とまぁ、ざっというとこんな感じなんですが。静かで淡々としているんですよ。で、何が言いたいかずーっと分かんない。分かんないように人からひいてとっている。なんだか不可思議な青年二人。どこにでもいそうで、その実つかみ所のないオヤジ。でも、それがまた現代っぽい。その不気味さとか、分けわかんなさ。見えるようで、表には見えてこないのね。

でも、最後の方のシーンで、意外な気分だったけど、私なりに納得しました。予告編にも出ていた
「許して下さい」
「許す。僕は許す」
というやりとり。

あー、って。こんなテーマなんだ!って少しびっくり。でも良かったな。私としては。人によってはこの急な展開分かりやすくてイヤかもしれないけど。
ふと頭をよぎったのはジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ監督作「息子のまなざし」。息子を殺した少年を許し、受け入れることから、少年が現実に向き合うことができるようになる映画なんですが。それを想い出しましたね。あー、これ以上やるとネタバレっぽいのでやめましょう。

ただ、全編を通じて、シュールでスタイリッシュ。それが東京っぽい。なんだか全体に現実感がない。役者のかっこよさも、衣装も、街の色も、クラゲの浮遊感も何もかも現実感がない。でも、クラゲがある種の象徴になっていたと思います。私はそのクラゲはものすごくシュールでありながら青年の空虚感や夢想と現実との接触点を様々な形で象徴しているように思いました。特に答えがあるわけではないように思いますが。空虚な青年とクラゲと東京の寓話。

最後のシーンも印象的でした。大きく「アカルイミライ」と出たその画面が妙に強い主張を持っていた。

ただし、言えるのは黒沢清という監督さんのカラーなんでしょうが、分かりにくい映画だということです。タイトルも相当パラドキシカル。好き嫌いは分かれるでしょうね。事実私の友だちは「つまんなかった」って言ってました。私は・・・好きですよ。たぶん、テーマが私にとってはひどく生々しかったからではないかと思いますが。それに、映像もキレイ。色が良かったですね。雰囲気や映像の作りとストーリー、登場人物がマッチした作品だと思います。あとは作品と観客との相性!

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