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2006年4月19日 (水)

「マグダレンの祈り」

「 マグダレン修道院──1996年までアイルランドに実在し、延べ3万人の少女たちが収容された。キリストによって改心した娼婦マグダラのマリアにちなんで名付けられたその修道院は、性的に“墜落した”女性たちを神の名の下に矯正する施設として作られた。」

監督・脚本はケン・ローチ監督「マイ・ネーム・イズ・ジョー」で主演をつとめたことでも有名なピーター・ミュラン。久々に、ガツンと来る映画を観ましたね。お奨めの1本です。

舞台は1964年、アイルランド。レイプされてコミュニティの居られなくなった少女、孤児院でちょっと生意気だった少女、未婚の母になってしまった少女。それぞれに、「堕落した」と言うにはあまりに罪のない少女たちが修道院へ送られます。そして「堕落した」というレッテルの元に行われる矯正。ある社会の価値基準の中に収まらない人たちが受けるいわれなき偏見。そしてその価値基準が「大義名分」となったときに社会が行い、黙認され、時に奨励される迫害、虐待。

映画の見所はその中で紡がれる一人一人の人物ではないかと思います。先に挙げた3人の主人公たちからは、真っ直ぐな目をして生きていく人間の強さを感じます。生きる力強さ。迫害のしたにあっても生きていける強さ。しかし、その3人が修道院で出会った人物として2人の人物が登場します。一人は、ウーナ。修道院を脱走するも父親に見捨てられ再び修道院に連れ戻される少女。彼女は、シスターになることで現実から逃避。そのシスターになるという神に身を捧げるはずの行為は、むしろ人としての弱さ・堕落・敗北・狡猾さを感じさせます。そしてもう一人はクリスピーナ。迫害の象徴のように彼女は、シスターや司祭の慰み者とされる彼女。おそらく知的にハンディキャップがあるだろう彼女は繰り返される虐待の果てにした反抗を理由に精神病院に強制装置され、最後には拒食症で亡くなります。そんな修道院の中で主人公3人のまっすぐな生き様に強さを感じ、しばらく口のきけないほどの圧倒的な感覚が見終わった後に残りました。

マグダレンの祈り DVD マグダレンの祈り

販売元:アミューズソフトエンタテインメント
発売日:2004/04/23
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