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2006年4月10日 (月)

「黄色い目の魚」

読んだことのない作家でしたが、勧められて読んでみました。

江の電の辺りを舞台にした、不器用で突っ張った女の子と自分や現実に向き合えない男の子の恋の物語でした。

良かったですね。透明な感じ。爽やかな空気感が漂う作品でした。登場人物が子どもも大人もみんな傷ついていて、弱くて、不器用で。そんな所がとても私の好みでした。「絵」というのが物語中で重要な役割を果たしているのですが、その「絵」という題材も良いですね。本当は見えないはずの心や人としての本質を絵という可視的なもので捉える面白さが、それぞれの登場人物のキャラクターの輪郭を描き出すのにとても生きている。

舞台が良かったなぁ、と思います。そうそう、ちょうど昨日みた「サヨナラcolor」という映画も舞台はこの辺なのね。仕事ではこの間行ったばかりですが、久々にゆっくりプライベートで歩きたいなぁ、なんて思いましたね。大学時代わりとよく行った辺りなので、急に懐かしくなって。

この小説、主人公は2人の高校生。短編をつなげる形で、男の子の視点と、女の子の視点が入れ替わりながら物語が綴られていくのですが。でも、それを取り巻く大人もいいんですよね。私が興味を持ったのは似鳥ちゃんという年齢不詳の女性。ふと大学時代を想い出しながら、私は主人公ではなく、この似鳥ちゃんが自分と重なって、自分も年取ったなぁ、みたいな(笑)。大学のときに読んだら多分視点は主人公に近かったはずなのね。特に、あの頃の私はすごく主人公の女の子に共感したと思う。今読むと自分の立ち位置は、年齢不詳だけど多分二人より大分年上なんだろう似鳥ちゃんに近いの。

ふと、傷つくことにも傷つけることにも自分が臆病になったなぁ、って。昔も友だちに「あきは人を傷つけることに臆病すぎる」って言われたことがあるけど。それ以上に、たぶん臆病になった。

そう思ったら、ふと大学時代に戻りたくなりましたね。大学の頃友だちが「小学校の頃に戻りたい」とか言ってるのまったく分かんなかったけど。昔に戻りたいなんて全く自分にはない感覚だったから。なんだかこの小説を読みながら大学時代を想い出して戻りたいなぁ、って。
ちょっと寂しいのと同時に、私にも戻りたいと思える時期が出来て良かったなぁ、と思いました。

そう思ったら、昔使っていたPCの中にデータ入れっぱなしだった写真の中を捜索。大学卒業した次の年に撮ったやつですが、この辺りで撮った写真を発見。懐かしい。

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黄色い目の魚
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著者:佐藤 多佳子

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