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2006年2月12日 (日)

「sweet sixteen」

来ましたね。久々に。心臓が痛いほどの映画が。突き刺さるように痛くて、涙があふれました。

先日観た「やさしくキスをして」と同じく、イギリスの巨匠ケン・ローチ監督の作品。

舞台はスコットランドの田舎町。15歳のリアムは学校にも行かず、養護ホームの頃からの友人ピンボールと日々を暮らす。母は薬物依存の恋人のために服役中。リアムはその恋人といざこざを起こし、母を嫌い職業訓練をしながら自立を目指し一人で子どもを育てる姉のもとに身を寄せることになる。彼は母の出所後、母と姉と幼い姉の子と共に暮らすことを夢見る。そして、そのための家を手に入れるため、星を観ることが好きだった少年は麻薬の売買に手を染め始めるのだが・・・。

とにかく、一言で言うならリアルですね。リアムという少年の心の動きがとてもよく描かれている。麻薬の売買と、やってることはもちろんマズいことなわけですが、だからこそ逆に彼の必死さがよく伝わる。彼は麻薬を売るけれど、自分はやらないんですよ。おそらく母を刑務所へ追い込んだ麻薬を嫌悪してさえいる。それでも、ささやかな家族生活を手に入れるため、必死にお金を手に入れようとしている。

そして、彼の友人ピンボール。養護ホームで育った2人はお互い他には誰もいない、そんな想いでつながっている
親友。自分を大切にすることをしらない2人が、ギリギリの所でお互い相手をかばい合う姿はなんとも印象的でした。

一つ一つの少年の行動から想いがあふれてきて、でも、その行動はとても稚拙で、幼くて。周囲の現実が見えていないその少年の姿は確かにリアルな15歳。そして、必死な彼を取り巻く過酷で無慈悲な状況もまたリアル。

母親は彼の16歳の誕生日の前日に出所します。そして彼の16歳の誕生日は・・・?

残酷な非情な結末の中、ただ姉からの遠ざかる”I love you”だけが暖かかったです。

一言言うなら「観るべし」、ですかね。映画って、こんなに人間を伝えられる媒体なのだと、久しぶりに改めて「映画って素晴らしい!」と思いました。

そうして、最後に。舞台となったこの地域にはこうした子どもたちが人口比率としてはっきりと多いようです。でも、多くの人にとって、身近で出会い向き合うことはないことでしょうが、日本にもこうした子どもたちがいます。別に社会派を気どるわけではないですが、ただ遥か遠い海の向こうの出来事と流してほしくはないと願いましたね。

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