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2006年2月 9日 (木)

掌から伝わるもの

昔、気持ちをうまく相手に伝えられずに落ち込んでいた私が「例えば、手を握って、それだけで指先から気持ちが伝わればいいのに」と言った時でした。それを聞いたある先輩は「そうじゃないから、おもしろいんだろ」と答えました。その時、私はひどく驚きました。そんな考えもあるんだ、って。

実際に、私たちは掌から想いを伝えることはできません。そうできたら、とても素敵で理想的なような気がするけれど。残念なことに、私たちにそんな力を持ち合わせてはいません。
だからこそ、私たちは言葉や態度で伝えることが大切なのだと思います。それでも想いが完全に伝わることはありません。それでもなお、否、だからこそ、私たちは伝える努力をしなければならない。

伝えようと努力する、その営みこそ、結果よりも素晴らしいものだと思います。
そうして、その努力の果てに最後に繋いだ掌にならば、一方は想いを伝えられたし、他方は受け取ったと互いに了解しうる何かが生まれる可能性があるのだろうと思います。
だからこそ、その掌から伝え得た想いには価値がある。
きっと簡単に想いを伝えられたら、そんな価値は生まれて来にくいのだろうと思います。
伝えようと努力することは、とても人間らしい、生々しい姿だと思うのです。

「掌から伝わればいいのに」、そう願ってから10年。
沢山の人との出会いを経て、沢山の想いを感じてきて今、そんな風に思うようになりました。

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コメント

 遊びに来たよー♪とても充実したblogだね。掌から伝わる何かがあるって素敵だよね。誰かに何かを伝えたいと思う、そんな気持ちを持っていることを大事にしたいと思ったよ。

投稿: えり | 2006年2月10日 (金) 06時29分

<えりちゃん

きてくれてありがとう!
臨床やってると,不器用だけど,一生懸命な想いに沢山出会うよね。なんか,そんな人たちの傍らにいたら,想いについて色々考えることが多いんだよねー。

投稿: あき | 2006年2月10日 (金) 10時07分

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