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2005年12月 6日 (火)

「さよならの空」

Sayonara
昼休みに立ち寄った本屋で、「さよならの空」という本に出会いました。
平積みになっている上に、誰かが書棚から取り出して、そのまま放置したらしいこの本が一冊。
「さよならの空」というセンチメンタルで私好みなタイトルと、頁を繰ってみたプロローグが素敵で買いました。
・・・・・・・・・・・
夕焼けって知ってるかい?



パパが子どもの頃には、夕焼けがあったよ。
本当さ。
真っ赤な真っ赤な、夕焼けがあったんだ。

・・・・・・・・・・
この作品、SF的だったり、ファンタジー的な要素も入っているのですが、とにかく構成がうまいですね。無駄なものが一つもない。何気なく読み跳ばしていた事件が後で重大な意味を持っていたり、驚かされる。飽きずに読めますよ、これ。
でも、私が一番心ひかれたのは、登場人物たち。
子どもからおばあちゃんまで、暗い過去を持つ登場人物たちの切なくも、悲しい姿が印象的です。
でも、それでも、物語は展開していき、ついには・・・・。
途中、途中、印象的な言葉が綴られたり、それぞれの想いが表現されたり、何度も涙が出る思いで読みました。特に、子どもの想いがとても切なくて。

「トモル君・・・本当に幸せな人なんか、この世にはいないんだよ。人間は誰だって、多かれ少なかれ、かわいそうなのさ。いろいろな悲しみや苦しみは尽きないし、何より、いつかは必ず死ななければならない。幸せそうに見えるには一瞬だけさ。僕や君やテレサさんも、ここに居る人たちと何も変わりはないんだ」


「人間は一人で生まれてくるのに、一人じゃ生きられない変な生き物なんだ。心によせ、体にせよ、いつも自分以外の誰かを求めてる。それなのに、けして別の誰かと溶け合ったり混ざり合ったりすることはできない。だから人間は神さまを作ったんだ。ぎりぎりのところで慰めてもらえるように」

何とも切ないけれど、それでも人を愛したくなる作品だと思います。
今日、たまたま誰かが置き去りにしてくれたこの本に出会えた幸運に感謝。
数ヶ月ぶりに読んだ小説は、センチメンタルで、ハッピーな気持ちにしてくれました。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
ハッピー指数:70%
センチメンタル指数:90%
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

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» 「さよならの空」朱川湊人 [本を読む女。改訂版]
さよならの空発売元: 角川書店価格: ¥ 1,575発売日: 2005/03/29売上ランキング: 61,629おすすめ度 posted with Socialtunes at 2005/11/11 オゾン層の破壊を食い止める化学物質、ウエアジゾンが開発された。 国連をあげて全世界でそれを散布し、オゾンホールの拡大を封じようとしたが、 ウエアジゾンには副作用があった。光の反射を乱し、夕焼けを消してしまうというのだ。 実際、世界中あちこちから夕焼けは消え始め、日本でもあと数日で ウエアジ... [続きを読む]

受信: 2005年12月 6日 (火) 22時37分

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